2020年9月11日金曜日

誰でも請けることができる工事がある


 
 
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工事業者には資格や登録が当然必要だろうと考えている方が多いのですが、誰でも請けることができる工事が有ります。建築一式工事で一件の請負代金が1500万円未満の工事、木造住宅で延べ床面積150㎡未満の工事(主要構造部が木造で延べ床面積の1/2以上を居住の用に供するもの)、一式工事以外で1件の請負代金が500万円未満の工事であれば、建設業の許可を受けなくても工事をすることができます。

 

2020年9月9日水曜日

騒音問題は解決が難しい


 
 
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マンションやアパートで隣接住戸や上階住戸からの騒音に悩まされることがあります。住戸界壁の遮音について建築基準法による規制がありますが、コンクリート厚さ10cm程度の遮音性能が確保されればよく、十分とは言えない最低限度の基準です。

その他に法律的な制限は特にないので、トラブルになった場合は住戸間で話し合い解決してもらうしか方法はありません。話し合いがつかない場合は裁判や民間の紛争処理による解決が一般的です。

法律では日常生活上の生活妨害は一定限度まで受忍すべきとされています。受忍限度を超えた場合、違法として不法行為による差し止め請求や損害賠償の対象となります。ただし、騒音の感じ方は個人によって異なります。受忍限度の判断は難しく、裁判や紛争処理でもすんなりと解決しないのが現状です。
 

強風対策が重要な仮設足場の設置


 
 
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強風で足場が倒壊したというニュースがよくありますが、かなり頻繁に起こっているので注意が必要です。目隠しや防音のシートが張られている足場は風の流れを止めて煽られてしまうので特に危険です。強風時には一部のシートを外すなどの対策が必須ですが、予測不可能な事態で対応が遅れることも多くなっています。

足場などの仮設工事管轄は労働基準監督署になります。足場の基準は建築基準法ではなく、厚生労働省労働安全衛生規則で規定されています。一定の高さや期間を超えた場合、足場の設置届を所轄の労働基準監督署に提出します。

足場の設計は専門の技術者が行いますが、仮設であることから、無理な計画を強いられることも多くあります。建物本体との緊結固定にも限界があり、無理な計画が倒壊の原因となってしまうこともあります。

 

2020年9月8日火曜日

仮契約が仮でないことがある


 
 
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サービス期間中に契約が成立すると、大きなサービスが受けられると勧められ、仮契約を軽い気持ちで交わしてしまうことがあります。しかし仮契約であっても法律的には契約が成立していることになります。

請負契約の場合、契約時に支払う前払い金は、売買契約にあるような手付金とは異なるものです。契約解除には前払い金以上の請求が要求されることもあるので注意が必要です。
 

2020年9月7日月曜日

請負契約の契約金は前払いとなる


 
 
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請負契約で仮契約として前払い金を支払うことがあります。請負契約の前払い金は売買契約の手付け金とは異なり、前払い金を放棄して契約解除できるとは限りません。

請負契約の解除は、民法によって、請負人に生じた損害を賠償して解除することができることになっています。前払い金以上の請求が要求されることがあるので注意が必要です。

仮の契約や着工前であったとしても、契約が締結されていれば、契約に従って違約金の支払いに応じなければなりません。このようなトラブルを避けるため、途中で契約解除を希望する場合の精算方法などを事前に取り決めておく必要があります。

 

2020年9月3日木曜日

耐震の法基準は傾いても倒壊しないこと


 
 
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最近の建物であれば地震で傾くような建物はないだろうと思われている方が多いと思いますが、建築基準法による耐震基準は、建物が倒壊しないことを基準としたものであるため、基準通りの建物であったとしても損傷したり傾くことは考えられる被害と言えます。 


この基準は、極めて稀に発生する地震(数百年に一度程度、東京では震度6強~7程度。東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震は宮城県栗原市で震度7を観測しています。)が想定されています。 基準となる震度の数値ははっきりした数値で示されているわけではありません。これは、地震の揺れというものは複雑な揺れなので、震度が低い場合でも場所によっては設計上の想定を超えてしまうことが考えられるからです。


建築基準法による耐震基準は、粘り強さや建物のバランスを考慮することによって、建物の倒壊を防ぐために考えられている最低限確保しなければならない基準です。 現在の耐震基準は、新耐震基準と言われ、昭和56年(1981年)61日以降に建築確認が許可された建物に適用されています。


錆びるステンレス、錆びない鉄がある


 
 
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ステンレスは錆びない金属と考えている方が多いと思いますが、錆びるステンレスもあることをご存知でしょうか。ステンレスは大きく分類するとクロム・ニッケル系の300系、クロム系の400系と2種類に分類されます。300系は磁性がないので錆びませんが、400系は磁性が有り錆びることがあります。


日本工業規格(JIS)によるステンレス規格SUS430400系の代表的な鋼種で、耐食性、耐熱性および加工性に優れ、家具や建材、家電、システムキッチンのステンレスシンクなど、幅広い用途で使用されています。錆びさせないためには日常のお手入れが必要です。


鉄は自然に酸化すると赤サビが発生しますが、学校や公園にある鉄棒が錆びていないのは不思議な現象です。これは鉄棒が酸化鉄という膜で覆われているからなのです。鉄を高温で熱すると黒色の酸化鉄という膜が形成されて赤サビの発生を抑えてくれます。


鉄製品を屋外で使うには錆びないように錆止めして塗装を行う方法が一般的ですが、酸化鉄の膜がある鉄製品は塗装の必要がないのでメンテナンスが容易です。屋外の手摺や柵等にも幅広く利用されています。


 

最近まで製造されていたアスベスト


 
 
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アスベストは石綿といわれる天然に存在する繊維状の鉱物です。針状に尖った繊維で柔らかさが無い青石綿、茶石綿、綿のように柔らかい白石綿があります。耐熱・対磨耗性にすぐれているため、耐火や断熱の吹付や配管被覆、建材など幅広く利用されていました。

しかし、繊維が肺に刺さり肺がんや中皮腫の原因になることが明らかになり、1995年に青石綿と茶石綿の使用が禁止されました。白石綿等の石綿が含まれた建材は、通常の使用状態では繊維が飛散する可能性が低いと考えられ製造されてきましたが、代替品が確立していない特定分野の一部部材を除き、2006年に全面製造禁止となりました。


住宅建材では内装用石膏ボードは2000年、外装サイディング材や屋根スレート材等は2004年、外壁の塗装塗材や下地調整材も2005年まで製造されていました。このため、アスベストが含まれた建材を使用している住宅は現在でも多く存在しています。


アスベストが含まれた建材は、建物の解体時に繊維が飛散する危険があるため、処理方法については法律で基準が定められています。基準に沿った解体となるので、一般建材の解体に比べると費用は割り増しになります。