対策としては、トイレや浴室、洗濯機排水口を20リットル程度の水を入れた「水のう」でふさぐ方法が有効です。「水のう」はゴミ袋やレジ袋を二重重ねにして作ることができます。半地下や地下部が浸水すると外開きのドアは水圧ですぐ開かなくなります。避難できなくなる危険もあるので、土のうなどで雨水の侵入を防ぐ対策が必要です。
建築家が提供する、知らないと損をする重要な情報です。安心して生活していくには、住まいに関する必要な知識を身につけ、自己防衛しなければなりません。毎日を安全で安心、快適に過ごしていくために必要な生活と住まいの情報です。
2020年10月19日月曜日
ゲリラ豪雨による都市部被害の避け方
2020年10月18日日曜日
都市部の雨水排水能力を超える豪雨被害
都市部での雨水の排水能力や建物の雨水排水計画は、1時間の雨量50ミリ前後が想定されています。1時間に50ミリ以上の雨とは、滝のように降って傘が全く役に立たない状況で、車の運転も危険になるような雨量だといわれています。これ以上の雨量の場合、短時間であっても処理しきれなければ洪水や浸水となってしまいます。
短時間豪雨の発生回数は今後さらに多くなる傾向にあります。都市部の被害は、川の近くとは限らないのが特徴で、土砂災害の他、地下室への浸水、下水道の逆流が原因となる被害、ベランダから室内への浸水などの被害があります。
半地下や地下部が浸水すると外開きのドアは水圧で開かなくなるので、避難できなくなる危険があります。また、下水が逆流してトイレや浴室、洗濯機排水口などから汚水が噴き出す被害を受けることがあります。
避難の際、浸水した道路や歩道は足元が見えないので、思わぬ段差や溝に挟まる危険があります。避難場所までの経路は確認しておかなければなりません。豪雨被害はどんな場所でも起こる可能性があります。日頃から豪雨への備えが大切です。
2020年10月17日土曜日
新築未入居なのに中古となる住宅
新築住宅の取得者は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、構造耐力上主要な部分や雨漏りの不具合について10年間の保証を得ることができます。
この法律によって定義されている「新築住宅」とは、新たに建設された「住宅」であって、建設工事の完了から1年以内で、かつ、人が住んだことのないものを言います。この新築住宅に該当しない住宅は中古住宅となってしまいます。
建設工事の完了から1年を超えた住宅は中古住宅として扱われ、この法律による10年保証の対象外となることがあるので注意が必要です。
2020年10月16日金曜日
サッシ下枠水溜まりの役目
サッシの水密性能とは、風を伴った雨が降った時に、屋内への雨水浸入をどの程度防ぐことができるかを示す性能です。JIS等級はW-1~W-5等級となり、数値が大きい程水密性能は高くなります。
一般的に戸建て住宅の引違い窓の水密性能はW-2またはW-3等級となります。台風の時にサッシ下枠に水が溜まり、雨漏りする不良品ではないかと心配される方がいます。
このタイプのサッシは水を溜めることによって浸入水を防ぐ構造となっているので、枠を超えなければ雨漏りではなく正常な状況となります。気密材を設けることによって下枠に水を溜めないタイプのサッシもあります。
2020年10月15日木曜日
がけのある土地のリスク
高さが二メートルを超える「がけ」がある敷地周辺に建物を建てる場合、建築基準法や条例が適用されて建物の計画に制限を受けることがあります。がけの崩壊に対して安全を確保するための法律で、場合によっては建物が建てられなくなることもあります。
がけのある土地には他にも大きなリスクがあります。台風などの自然災害でがけ崩れが発生して建物が損害を受けた場合のリスクです。私達はがけ崩れが生じた土地の所有者が責任をとって賠償することが当然と考えてしまいますが、予見不可能と判断される自然災害の法律的判断はそうではありません。
このようなケースでは、損害を受けた被害者は斜面の土地所有者に対して損害の賠償を求めることは非常に難しいと言われています。がけのある土地は、がけ上もがけ下も大きなリスクがあるので注意が必要です。
2020年10月13日火曜日
室内が汚れていく換気方法
都心の密集地でも工夫をすれば自然の風による通風は可能です。暖かい空気が上昇する性質を利用して、上階の窓と下階の窓で風を取り入れることができます。窓が大きく開けられない場合は換気扇を利用することになります。この場合、換気扇の能力に見合った給気口を設けなければ効率良い換気はできません。つまり、外気に面した給気口がないと、床や壁、天井のすき間から床下や小屋裏の汚れた空気を室内に呼び込むことになります。大きな風量の換気扇を設けたとしても、一向に換気されないで逆に室内が汚れていくことがあるのです。
台所の換気扇は風量が大きいので、換気扇に見合った給気口がないと、床下収納など気密の悪い部分のすき間から床下の空気が入り込んできます。床下に農薬系の防腐防蟻剤を利用していた場合や湿気でカビが生じていたりすると、換気をすればするほど室内の空気が汚れていくことになります。
このようなことを防ぐには、窓を開けて換気扇に見合った新鮮空気を供給すれば良いのですが、それでは冬場は寒く夏場は暑くなってしまいます。窓を閉めて必要な外気だけ供給して効率のよい換気ができるようにしなければなりません。
気密のよい住宅であれば、給気口から換気扇まで距離があっても効率よく換気することができます。小さな換気扇でも部屋の隅々まで換気をすることが可能です。気密が悪ければ換気扇周辺のすき間から空気が入り込んでしまうので、室内全体の空気を動かすことができません。気密を確保することは、住みよい環境づくりには欠かせない重要なことなのです。
2020年10月11日日曜日
敷地は道路より高いのが基本
建築物の敷地が道路より低くなる宅地は意外と多いと思いますが、じつは、建築物の敷地は道路より高くなければならないと法律で定められているのです。
建築基準法第19条によると、「建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。」と定められています。
つまり、建築物の敷地は、支障なく雨水や汚水を排出できるよう、接道道路より高くなっていなければならないことが基本となっています。敷地が接道道路より低い場合、湿潤な土地や出水の多い土地の場合など、衛生上、安全上必要な措置を講じなければなりません。