2020年9月3日木曜日

最近まで製造されていたアスベスト


 
 
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アスベストは石綿といわれる天然に存在する繊維状の鉱物です。針状に尖った繊維で柔らかさが無い青石綿、茶石綿、綿のように柔らかい白石綿があります。耐熱・対磨耗性にすぐれているため、耐火や断熱の吹付や配管被覆、建材など幅広く利用されていました。

しかし、繊維が肺に刺さり肺がんや中皮腫の原因になることが明らかになり、1995年に青石綿と茶石綿の使用が禁止されました。白石綿等の石綿が含まれた建材は、通常の使用状態では繊維が飛散する可能性が低いと考えられ製造されてきましたが、代替品が確立していない特定分野の一部部材を除き、2006年に全面製造禁止となりました。


住宅建材では内装用石膏ボードは2000年、外装サイディング材や屋根スレート材等は2004年、外壁の塗装塗材や下地調整材も2005年まで製造されていました。このため、アスベストが含まれた建材を使用している住宅は現在でも多く存在しています。


アスベストが含まれた建材は、建物の解体時に繊維が飛散する危険があるため、処理方法については法律で基準が定められています。基準に沿った解体となるので、一般建材の解体に比べると費用は割り増しになります。