2020年10月13日火曜日

室内が汚れていく換気方法


 
 
知らないと損をする住まいに関する情報
<建築家が提供する雑学ブログ
 

 

  

都心の密集地でも工夫をすれば自然の風による通風は可能です。暖かい空気が上昇する性質を利用して、上階の窓と下階の窓で風を取り入れることができます。窓が大きく開けられない場合は換気扇を利用することになります。この場合、換気扇の能力に見合った給気口を設けなければ効率良い換気はできません。つまり、外気に面した給気口がないと、床や壁、天井のすき間から床下や小屋裏の汚れた空気を室内に呼び込むことになります。大きな風量の換気扇を設けたとしても、一向に換気されないで逆に室内が汚れていくことがあるのです。

 

台所の換気扇は風量が大きいので、換気扇に見合った給気口がないと、床下収納など気密の悪い部分のすき間から床下の空気が入り込んできます。床下に農薬系の防腐防蟻剤を利用していた場合や湿気でカビが生じていたりすると、換気をすればするほど室内の空気が汚れていくことになります。

 

このようなことを防ぐには、窓を開けて換気扇に見合った新鮮空気を供給すれば良いのですが、それでは冬場は寒く夏場は暑くなってしまいます。窓を閉めて必要な外気だけ供給して効率のよい換気ができるようにしなければなりません。

 

気密のよい住宅であれば、給気口から換気扇まで距離があっても効率よく換気することができます。小さな換気扇でも部屋の隅々まで換気をすることが可能です。気密が悪ければ換気扇周辺のすき間から空気が入り込んでしまうので、室内全体の空気を動かすことができません。気密を確保することは、住みよい環境づくりには欠かせない重要なことなのです。