2020年11月5日木曜日

自宅工事中の見学を拒否されることがある


 
 
知らないと損をする住まいに関する情報
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施工会社が工事中の建物の所有権を主張して注文者の見学を拒否することがあるようです。注文する側とすると、自分の家なのに工事中に内部を見せてもらえないなんて考えもしなかったでしょう。

注文者に工事の内容を明らかにできないのはトラブルの原因となるので一般的な対応ではありません。注文者が納得いかないと怒るのは当然です。

しかし、裁判例では、建物材料の主要部分を誰が供給したのかによって所有権の帰属が判断されているようです。建物材料の主要部分を施工会社が供給して工事が行われているのであれば、施工会社が建物の所有権を有することになります。

このため、引渡し前は施工会社が建物の所有権を有することになり、完成と同時に所有権は注文者に移ると主張できることになります。ただし、工事中の見学を拒否するのであれば、施工会社は工事中の経緯を詳細な記録によって説明できなければなりません。もしできなければ注文者は納得するとは思えません。トラブルを避けるためにも、施工会社は誠意ある対応を心がけなければなりません。